PYNTORI’s diary

マトハズシのイグノーベル

Bill

一円玉・五円玉の廃銭法案

廃銭とは既存の紙幣や硬貨を廃止することである。

 

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photo by Chris JL

 

背景

某百貨店のショップで、ある紳士が600006円の会計をしてしまったことが事の発端。紳士は現金派だが財布に硬貨はない。あるわけがない。釣銭はそのままチップとするか募金箱や賽銭箱におさめる習慣があり、丁度その時も百貨店1階のコンビニエンスストアでタバコを買って、募金をしてきたばかりだった。紳士は「6円くらいいいでしょう」と薄笑いで会計を進めようとしたが、店員が断ると持っていたステッキを床に強く叩きつけ激昂。601000円を支払い立ち去った。この事態を重く見た現金派の紳士グループが決起。自販機にすら入らない硬貨の廃銭を提案。ちょうど税収アップを画策していた政府与党の後楯も得て法案成立を目指した。

 

要綱

・一円玉と五円玉を全て回収する
・消費税を10パーセントまで引き上げる
・消費者取引での一の位の請求を禁止する

・企業間取引では一の位以降も数値上は残るが現金化はできない

 

理由
・キャッシュレス化の促進
・店頭の会計時間の短縮
・計算処理の効率化
・財布の軽量化
・硬貨製造コスト削減

 

行動
・銀行が回収作業を行う
・一の位の価格表示は消費税込みで0とする
・消費増税による家計負担軽減と回収期間短縮のため両替キャンペーンを実施する

 

結果
賽銭箱にご縁が入れられないとお寺・神社関係者の反感を買う。廃銭法案にまるでオマケのように消費増税を付け加えたことが世論に不快感を与えた。金融界や経済界からの支援も弱くある大臣の「そもそも2パーセント上がるだけなんだからそこまで騒ぐ必要がない、消費増税なんかより廃銭によるメリットにもっと目を向けるべき」という発言がダメ押しとなり、世論が優勢となった。最終的に紳士グループの現金派がカード派に吸収されるかたちで鎮火。法案成立を断念し廃案となった。

 

感想
自分なりの妄想シミュレーションはしてみたものの現実味がなく実現は厳しそうですね。消費税が10パーセントになれば自然に消えていく硬貨なのものかもしれません。ただ一円玉と五円玉がなくなると消費税も十の位で上がっていく危惧がある反面、税率アップの抑止にもなるという期待もなきにしもあらず。現状は勝手にキャッシュレスしていくしか方法は無さそうです…